私達の若い頃、映画は西部劇が幅を利かしていた。
今考えてみると、弓矢しか持たない原住民インディアン昔から住んでいた土地を、近代武器ライフルとピストルで強引に横取りをし、鉄道を引く。駅を作り町ができる。
土地を奪われまいと抵抗するインディアンは完全な悪役。
やっつけるカウボーイや騎兵隊は善だと信じ込み、一生懸命騎兵隊を応援した。
今考えると、ひどい話だ。
現代なら、略奪した白人は、自国へ帰るのが筋だ。
アメリカという国はこうして出来上がった。
善悪は良しとして、西部劇には素晴らしい音楽が残されている。
私の独断と偏見でウエスタン・ミュージックを取り上げてみたい。
最初に上げる曲は、ジョン・ウエインの駅馬車だ。
西部劇を観たことがない人のために、駅馬車の先頭部分を見ておこう。
『駅馬車 (1939アメリカ)』より「アパッチ襲撃」
駅馬車のメインテーマだ。
駅馬車/スターライト・オーケストラ
黄色いリボンも忘れられない。
”あの娘の黄色いリボン
誰に見せよとの髪飾り
・・・・・・・・・・”
いまだに覚えている。いい歌だ。
Mitch Miller – She Wore a Yellow Ribbon (film) 黄色いリボン(映画)/ ミッチ・ミラー合唱団
遙かなる山の呼び声も印象に残っている。
雪村いづみさんがデビュー曲として選んだが、一躍スターダムにのし上がった曲だった。
主役のアラン・ラッドの早打ちが有名だった。
「遥かなる山の呼び声、The call of the far away hills」ビクター・ヤング、 Victor Young
荒野の決闘もいい音楽だったし、主役のヘンリー・フォンダの渋さが印象に残っている。
日本では、ダークダックスが雪よ岩よ我らが宿り、俺たちゃ町には住めないからよという替え歌を出している。
いわゆる「雪山讃歌」だ
My Darling Clementine (film) 荒野の決闘(映画)いとしのクレメンタイン
数え上げれば、きりがないウエスタン・ミュージックだが最後に上げたいのがハイ・ヌーンだろう。
娘の映画で驚くのはグレース・ケリーが出ていることだ。そして最後のどんでん返しに彼女が活躍することだ。
もう一つ驚くことが有る。100年以上前の長距離を走る機関車に乗っている悪人どもが乗っている列車が、新幹線顔負けの真昼の12時にピッタリ付くという考えられない列車の時刻が正確なことだ