アリソン・バルソムは、イギリスのトランペット奏者で、クラシック音楽の分野で活躍しています。

彼女は1978年10月7日にイングランドのロチェスターで生まれ、7歳からトランペットを始めました。

彼女はロンドンのギルドホール音楽演劇学校やパリのコンセルヴァトワールで学び、数々の賞を受賞しました。

彼女は2001年にプロとしてデビューし、以来、世界中の有名なオーケストラや指揮者と共演しています。

彼女はトランペットの魅力を広めるためにも積極的に活動しており、教育や普及にも力を入れています。

 

YouTubeには彼女の演奏する曲がたくさんありますが、ここでは3曲を紹介したいと思います。

 

1. 「ハイドン トランペット協奏曲 ホ長調 第1楽章 (アレグロ)」

この曲は、ハイドンが1796年に作曲したトランペットのための協奏曲で、当時の新しい発明であるキー付きトランペットを使っています。

キー付きトランペットは、従来の自然トランペットよりも多くの音階を出すことができるため、ハイドンはトランペットの可能性を広げることができました。

この曲は、クラシック時代の協奏曲の典型的な形式で構成されており、第1楽章はアレグロという速いテンポで、ソナタ形式で書かれています。

ソナタ形式とは、主題と呼ばれる2つの旋律を提示し、それらを展開し、再び提示するという構造です。

アリソン・バルソムは、この曲を見事に演奏しており、キー付きトランペットの魅力を存分に引き出しています。

彼女のトランペットは、明るく華やかでありながらも、繊細で表情豊かです。彼女は、ハイドンの音楽に新たな息吹を吹き込んでいます。

Alison Balsom, ‘Haydn Trumpet Concerto in Eb, 1st mov.’ (Allegro)

2.

「Autumn leaves」

1945年に発表されたフランスの歌曲「Les feuilles mortes」の英語版です。

この曲は、ジャズのスタンダードナンバーとしても有名で、多くのアーティストがカバーしています。

その中でも、Alison Balsomのフリューゲルホルンによるソロは、とても美しく感動的です。

彼女は、曲のメロディを忠実に奏でながらも、自由なフレージングや装飾音を加えて、曲に深みと表情を与えています。

彼女のソロは、以下のように簡単に解説できます。

-まず、イントロでは、ピアノとベースの伴奏に合わせて、Aメロの最初の4小節を奏でます。

ここでは、メロディに沿って音程を上げ下げしながら、リズムを変えたり伸ばしたりしています。

次に、Aメロの残りの4小節では、メロディから離れて、オリジナルのフレーズを奏でます。

ここでは、高音域や低音域を使って音域を広げたり、トリルやグリッサンドなどの装飾音を使って華やかさを出したりしています。

そして、Bメロでは、再びメロディに戻りますが、ここでは、メロディに対して半音下げた音や和音の一部を加えて和声的な効果を出しています。

また、メロディの終わりに向かって音量や速度を増して盛り上げています。

最後に、Aメロの繰り返しでは、最初と同じようにメロディを奏でますが、ここでは、さらに自由なフレージングや装飾音を加えています。

特に、最後の2小節では、高音域で長い音を伸ばしながらトリルやビブラートをかけて、曲に感情的なクライマックスをつけています。

Kosma – Autumn leaves – Alison Balsom transcribed flugelhorn solo

3. 「サラバンド」
この曲は、チェロ組曲第一番の第四楽章です。

バルソムは、トランペットでこの曲を演奏し、美しい音色と感情を表現しました。

また、フランセの「トランペットのためのソナチネ」についても簡単に解説しました。

この曲は、1952年に作曲された現代音楽で、トランペットとピアノのための三楽章からなる作品です。

フランセは、トランペットの技巧と魅力を引き出すために、様々なリズムや音色を用いました。バルソムは、この曲の難しさと面白さを語りました。