ちあきなおみ(ヒット曲を追うのではなく、自分が歌いたい歌にじっくり取り組みたい)
「伝説の歌姫」はなぜ沈黙を守っているのか。
ここで明かされる真実は、けして意外なものではない。彼女はつぶやく。「ちあきなおみは、もういないのよ」
本書は「伝説の歌姫」に捧げる鎮魂歌でもあるのだろう。
ちあきなおみといえば、日本レコード大賞を受賞した『喝采』(昭和47年)をはじめ、数々のヒットを飛ばし、演歌からジャス、シャンソンなど幅広いジャンルの歌唱で多くの聴衆を魅了してきた。筆者は、千晶直巳の亡夫、郷の死の前年から8年間にわたって、ちあきのマネージャーを務め、彼女の素顔を最も身近に見てきた人物が言ったセリフである。
ちあきなおみは4歳から江利チエミと同様にアメリカ軍キャンプを回ってジャズを歌っていた叩き上げのミュージシャンだ。
そんじょそこいらのジャズを覚えて自慢気に歌っている歌手とは育ちがが違う。
演歌歌手と見られながらもちあきなおみが歌うジャズやシャンソンは、自然であり取ってくっつけたものではない。
だが、私はちあきなおみが歌ったヒット曲「四つのお願い」や「X+Y=Z」をいい曲だとは思ったが、嫌いだった。
というより、美空ひばりや江利チエミを見てきた私にとってちあきなおみは年寄り臭い顔をしていたから。
ちあきなおみも今は73歳・
さすがに再デビューはきついだろう。
美空ひばり亡き後、大衆はちあきなおみの再登場を期待したが、糠に釘、「ちあきなおみはもう居ない」と本人がいい、亡夫の兄、宍戸錠の葬儀にも顔を出さなかった。
「喝采」が代表作だが、私の独断と偏見で次の二曲を聴いていただきたい。
朝日楼(朝日のあたる家) ちあきなおみ
ちあきなおみ 紅とんぼ
バブルが弾けた頃、小規模な居酒屋、スナック、バーなどがバタバタと潰れていった。
私は現実に見てきたこの現象を目の当たりにしてきました。
魂の歌! ちあきなおみ